このワークショップの目的

やさしい日本語の存在を知ってもらうこと

やさしい日本語を実際に使えるようになってもらうこと

山脇ゼミでは、2018年度から、主に多文化共生を推進するための住民交流の手段として、やさしい日本語を活用したイベントを実施したり、やさしい日本語を用いた動画を作成しています。2020年度に、やさしい日本語を用いた動画を見ていただいたことをきっかけに、豊島区の多文化共生担当者からやさしい日本語研修の依頼を受け、大学生が初めて自治体職員向けにやさしい日本語ワークショップを行いました。2021年度には私たちの活動拠点である中野区にも依頼を受け、開催に至りました。やさしい日本語は存在を知っていても意識しないと使うことが難しいです。私たちはこの存在を広めるとともに、実際に使う人が増え、やさしい気持ちを持つ人で溢れる社会を目指しています。

~書き言葉編~

ワークショップの流れ

 

2020年8月に出入国在留管理庁と文化庁が公表した

「在留外国人のためのやさしい日本語ガイドライン」

に基づき、ゼミ生が作成したパワーポイント資料を使って

「やさしい日本語」についての知識を深めます。

 

説明では、各ステップごとに

ポイントを詳しく説明していき、練習問題も交えながら

「やさしい日本語」への変換のコツを学んでいきます。

 

参加者にはワーク用プリントを配布し

実際に日本語をやさしい日本語に変換してもらいます。

個人で考えた後に、自分の考えをグループで共有して

お互いに良い点や改善点を見つけます。

やさしい日本語に絶対的な答えはありません。

毎回素晴らしい回答がたくさん出てきます!

~話し言葉編~

ワークショップの流れ

”やさしい日本語”の話し言葉では、

その場面、その対話している相手に応じた適切なやさしい日本語で

話すことが求められるため、心構えから説明しました。

言葉をただ「やさしく」するのではなく、

対応の姿勢を「やさしく」する「心構え」から伝えることで、

臨機応変に対応できる力を身に着けてもらいます。

ワンポイント・テクニックでは、

話し言葉において大切になることを説明しました。

言葉だけでは伝わりにくいときは、

イラストや図表などの視覚情報があるとわかりやすくなります。

実践練習では、ゼミ生が外国人役、参加者が日本人役になり、

シチュエーションロールプレイを行いました。

計3つのシチュエーションを設定しました。

実践①は日常生活編として、ゴミの捨て方について

実践②は災害編として、大雨の時に起こる災害や避難について

実践③は窓口対応編として、国民健康保険の加入手続きについて

多様な状況を想定してロールプレイすることで、

実践的にやさしい日本語を使えるようになります。

参加者からの声

自分自身の日本語が日本人にも外国人にも優しくない状態であると感じました。
どうしても一文に情報を詰め込んでしまうので、
これからは意識をして日本人にも外国人にもやさしい日本語になるようにしようと思いました。
豊島区やさしい日本語研修に参加した女性
自分自身の日本語が日本人にも外国人にも優しくない状態であると感じました。
どうしても一文に情報を詰め込んでしまうので、
これからは意識をして日本人にも外国人にもやさしい日本語になるようにしようと思いました。
豊島区やさしい日本語研修に参加した男性

私たち、山脇ゼミの思い

新型コロナウイルスの影響で僅かに減少していますが、今後日本で暮らす在日外国人の数は増えていくことでしょう。多言語による対応ももちろん大切ですが、私たちは「やさしい日本語」を利用することで、より幅広い方のサポートができると信じています。「やさしい日本語」は外国人の方々だけでなく、障がい者や子供たちとのコミュニケーションにも適しています。普段何気なく使ってる言葉について少し考えて、相手にわかりやすいように言い換えるという「やさしい気持ち」が一番大切です。この気持ちを持つ人が少しでも増えてくれたら嬉しいです!

編集 11期 吉鶴太聖